研究テーマ(工事中につき,未完成です)
“海洋調査チーム”と銘打っていますが,チームメンバーの一部は陸域における能登半島地震関連の調査・研究も実施していますので,それらも研究テーマに含めています.
1.珠洲市・能登町の沿岸ー沖合における津波による海底環境・海洋生態系への影響調査
海底環境はどうなったのか?
地震動や津波によって海底がどう変化したのか?陸域では衛星写真や空撮などで変化状況を比較的速やかに,そしてリアルタイムに把握できますが,海の中では困難です.海が光をほとんど通さないからです.その見えない海の中で起きたことを明らかにしていきます.
どう調査するのか?
スキューバダイビングや調査船を用いた調査を展開します.金沢大学環日本海域研究センターには調査船「あおさぎ号」があります.2023年後期に完成した研究船は能登町九十九湾にある臨海実験施設前に係留してありました.完成からまもなく,2024年1月1日発生した地震に起因して発生した津波が,九十九湾も襲い,臨海実験施設は大きな被害を受けました.しかし,調査船は,浮桟橋に係留していたおかげか,奇跡的に無傷でした.
この調査船「あおさぎ号」を用いて,海底堆積物を採取して解析し,地震や津波による海底環境や海底に生息する生物(底生生物)への影響を調べていきます.このような調査を継続的に実施し,海底環境や生物・生態系の回復過程を追跡していきます.
九十九湾におけるスキューバによる調査風景

津波によって海底環境は大きく変化しました.地震動によって沿岸は崩れ,崩れた岩石ブロックは津波で沖合に運ばれました.そのような津波で運ばれた物質の位置関係を記録するために水中からバルーンを海面に打ち上げている様子です.